花粉からの回避
---このシーズンは面倒がらずに必ず実行しましょう---

花粉症治療の第一は、抗原からの回避、つまり原因となる花粉を吸い込まないことにつきます。100%、花粉を吸い込まないようにするのはなかなか難しいのですが、吸い込む花粉の量が多いほど、症状も強くなりますから、少しでも吸い込む花粉の量を減らす工夫をして頂ければと思います。

1. 花粉症用のマスクやメガネを使いましょう。

花粉症用のマスクは花粉の鼻やのどへの侵入を90%以上ブロックします。しかし、9割以上の患者さんが実行していません。その背景としては、かっこわるい、効くかどうか疑わしい、意外と高価、などがあるようです。なお、マスクは普通のガーゼ・マスクでは効果が乏しいので、市販の花粉症用のマスクを使用します。マスクは高価なものほど性能がいいとは限らないので、ご自分でつけやすく、違和感のないもの、はっきりと症状を軽減する効果があるものを使用します。高価な、同じものをずっと使うより、なるべく安価なものを使い捨てて交換するほうが衛生面ではいいはずです。

外出時に眼鏡を使用するだけでも花粉の目への侵入を約70%ブロックすることがでます。コンタクトレンズはそれ自体が目を刺激するため、目のかゆみなどの症状は増悪することがあります。出勤途中の屋外ではメガネの着用が効果的です。

1. 出勤、通学途中だけでもマスクを着用するだけで、花粉への暴露は激減します。

2. 花粉症用のマスクは花粉捕集率が90%以上です。

3. 値段と性能は相関していないので、安価なものでよいでしょう。

4. 衛生面を考えると、安価なものを頻繁に交換する方がいいと思います。

2. テレビやラジオ、新聞の花粉情報に注意しよう。

「明日は花粉が多いので、学校（会社）にはいかない」というわけにはいかないので、特にマスクやメガネの着用を忘れないようにしましょう。

3. 花粉が家に入ってこないように、がんばりましょう。

1. 花粉飛散の多い日は、なるべく窓を開けない、という程度のことでは今シーズンは対策にはなりません。どうしても必要な場合を除き、窓は開けない、という決意でのぞみましょう。もちろん、暖房時の換気などは怠らないように。

2. 家に入る前には玄関先で頭髪、衣服をよくはたいてください。
   これは実行している人は意外と少ないので、今シーズンは是非行ってください。これは当然、花粉症の方だけでなく、家族全員が励行する必要があります。今シーズンは花粉症の方にとって厳しい受難のシーズンです、家族一丸となって取り組んでください。
   また、服装もなるべく毛羽立ったものよりナイロンや皮などのツルツルしたもののほうが花粉の付着率が低いので、家屋への花粉の持ち込みが防げます。

4. 家に入った花粉を取り除くよう、がんばりましょう。

1. 花粉をしっかりと捕捉できるフィルターのついた掃除機を使いましょう。掃除機に長いホースをつけ、本体は部屋の外に出すことも効果的です。

2. 空気清浄機はやはり効果があります。できれば購入をお勧めします。

5. 外出から帰ったら、目や鼻を洗浄しうがいをしましょう。

鼻の洗浄は花粉除去という点では有効ですが、水道水では鼻粘膜をいためるため、なるべく生理食塩水（市販のもので結構です）を使用してください。